インスリンとビオチン

インスリンとビオチン

インスリンとビオチン

インスリンの分泌を高める栄養素のひとつとして、ビオチンがあります。

 

 

ビオチンは哺乳類では合成ができない成分で、
必須の水溶性ビタミンの一種です 。

 

 

ビオチンは食品から摂取するほか、腸内細菌によっても合成されます。

 

 

しかし、その合成量だけでは体における必要量を維持できません。

 

 

ビオチンは、体内において4種類のカルボキシラーゼの補酵素として、
カルボキシル化反応を触媒しています。

 

 

これらの体内反応は糖新生や分岐鎖アミノ酸の合成、
脂肪酸合成、エネルギー代謝などに関連しています。

 

 

このビオチンが糖尿病の改善や予防に関与し、
インスリンの分泌を高めてくれるというのです。

 

 

ビオチンは、小胞体における
カルシウムイオンの放出を促進することでインスリンの分泌を高めてくれます。

 

 

ビオチンは様々な食品に含まれていますので、
通常の食生活をしている人では不足することはありません。

 

 

しかし、他の成分と併せて摂取する場合、ちょっとした注意が必要になります。

 

 

ビオチンはαリポ酸と構造が似ているため、αリポ酸とビオチンを併用すると、
体で誤作動が起こり、ビオチンを摂取しなければいけないところ、
間違ってαリポ酸を多く取り込んでしまうのです。

 

 

この逆のパターンもあります。

 

 

また、生の卵白を多量に長期間において摂取する場合も注意が必要です。

 

 

卵白に含まれているアビジン (糖タンパク) は、
ビオチンと強く結合してビオチン-アビジン結合体を作るため、
消化管でのビオチンの吸収を阻害するためです

 

 

その結果、ビオチン不足が起こる可能性があります。

 

 

ビオチンの摂取量は特に決まっていませんが
目安の摂取量として1日あたり約30μgです。

 

 

また、ビオチンはビタミンB郡が無いと、
体内で上手く機能することができません。

 

 

そのため、ビオチンの効果を効率よく得るためには、
ビタミンB群も一緒に摂取するようにしましょう。