インスリンとクロミウム
インスリンとクロミウム
インスリンの感受性を高めるために、
クロミウムというミネラルも有効だとされています。
クロミウム(クロム)は肝臓や腎臓、血液、脾臓に多く存在し、
糖と脂質の代謝のため無くてはならない微量ミネラルです。
このクロミウムがインスリンに作用し、
血糖値の安定に役立つといわれています。
クロミウムが不足すると、血糖値が高いままで維持されてしまいます。
そして、その血糖値を下げようと
大量のインスリンが体内で分泌されるようになります。
しかし、クロミウムが不足していると、
筋肉細胞内のインスリンの受容体(レセプター)が働かないため、
たくさんのインスリンが分泌されても細胞に取り込めないのです。
それどころか、クロミウム不足でインスリンの分泌レベルが高いままだと、
脂肪細胞への脂肪の貯蔵が働き、痩せにくい体質にもなってしまいます。
クロミウムはGTFの構成成分で、
インスリンの感受性を高める効果があります。
GTFとは「グルコーストレランスファクター」の略称で、
三価クロム、アミノ酸、ナイアシン(ビタミンB3)の3つの成分が結合したものです。
GTFが不足すると、インスリン受容体が正常に働かなくなり、
インスリン感受性が低下し、糖代謝の異常を起こして糖尿病の原因となります。
GTFが不足する一番の原因は、クロミウムの不足です。
実際の調査及び臨床実験では、糖尿病の患者の血清中クロムの量が、
正常な人の約半分であることが分かりました。
そこで、クロミウムが不足している糖尿病の方に
クロミウムを継続的に摂取してもらうという臨床実験も行なわれました。
その結果、約90%の方の空腹時血糖値、
食後血糖値の両方が改善されたのです。
その上、糖尿病の患者特有の
疲労感、口渇、多尿の症状も軽減したのです。
つまり、クロミウムを摂取することによって、
体内でGTFが作られるようになり、インスリン感受性が高まって、
糖代謝の正常化により、糖尿病の予防や改善がみられるのです。
クロミウムの1日あたりの摂取量は、
クロミウムピコリネイトの形で、500〜1000mc(マイクログラム)を摂取しましょう。
また、最低でも24週間は続けることが必要です。