インスリンと脂肪細胞
インスリンと脂肪細胞
インスリンは脂肪細胞にも働きかけます。
脂肪細胞に送り込まれる糖分は、全体の約3%程です。
インスリンは脂肪を合成するリポタンパクリパーゼという酵素の働きを助け、
また、脂肪を分解するホルモン感受性リパーゼという酵素の働きを抑えます。
簡単にいえば、インスリンが分泌されると、
体脂肪は合成されやすく、分解されにくいのです。
インスリンによって活性化されるリポタンパクリパーゼは、
中性脂肪を脂肪酸とグリセロールに分解して、
筋肉細胞や脂肪細胞に取り込ませます。
これを、エネルギー源として利用して、
余ったら中性脂肪に再合成して蓄えるというサイクルで働きます。
インスリン抵抗性がある(感受性が低い)場合、
脂肪細胞のリポタンパクリパーゼが充分に活性化されません。
すると、脂肪細胞内にエネルギー蓄積をできない状態となり、
中性脂肪が減らず、中性脂肪血症の原因となります。
また、インスリンの分泌がされない場合、
体にエネルギーが取り込めないため、どんどんと体重が減っていきます。
なぜなら、インスリンが分泌されないと、
糖分やアミノ酸などの栄養が各細胞に運ばれず、
脂肪細胞への取り込みも減り、筋肉自体も痩せてくるのです。
そうならないために、糖尿病の患者さんは、
インスリン注射を利用して、外からインスリンを摂取しているのです。
インスリンは分泌されないと生死に関わりますが、
過剰に分泌されることもまた、健康に害を及ぼします。
インスリンが過剰に分泌されると以下のようになります。
・脂肪燃焼が抑制され、ダイエットの効率が悪くなる
・体脂肪の合成が促進され、メタボの原因になる
・成長ホルモンの分泌が抑制され、疲労や筋肉の回復が遅くなる
・血糖値が下がりすぎるため、めまいの原因になる。
このことから、血糖値の急激な上昇により起こる
インスリンの過剰分泌を押さえれば、
脂肪細胞への過剰な合成を抑えることができます。
上手にダイエットしたい方やメタボを予防したい方は、
インスリンのコントロールが重要になってきます。